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日本人看護師が教授する看護英語コミュニケーション講座レポート(第2回)

Chapter 6: Activities of Daily Living (ADL) (日常生活動作)

この講座を担当するのは、看護師資格を有する小口順子先生です。
日々看護師の皆さんが遭遇する実際の医療現場を想定し、基本的な語彙や英語表現を習得することを目的としています。
今日ご紹介するのは、「Chapter 6: Activities of Daily Living (ADL)
(第6章:日常生活動作)」の回の後半です。このChapterでは、ADLに関する語彙やADLを介助する際の表現などを学びます。

ウォーミングアップ・復習

この回は、ちょうど当協会主催のクリスマスパーティー後の最初の授業でした。パーティーには受講生の皆さんも参加されて、小口先生を始め、他の先生達とも楽しい時間を過ごすことが出来ました。そんなクリスマスパーティーの感想などを交わしながら、レッスンが始まりました。


前回の授業では、「Chapter 6: Activities of Daily Living (ADL) (日常生活動作)」のADLに関する語彙や表現などを学んだので、その復習ミニテストを最初に行います。毎日、目にするポータブル便器(bedside commode)や歩行器(walker)などのベッドサイドの備品も、和製英語と混同してしまったり、とたんに難しくなりますね。これらの語彙や表現を踏まえた上で、Writingの練習です。小口先生がホワイトボードに書き出した日本語の文章を英訳していきます。「車椅子を持ってきますね」という表現でも、「I’m going to bring you a wheelchair」よりも、持っていく人(看護師)の意思が表されている「I will bring you a wheelchair」の方を使いましょうと先生からの説明がありました。

前回の質問への回答 (Q&A)

Q&A 1

受講生:「遠近両用めがね」は英語でどのように説明したらよいですか?海外にもあるのでしょうか?

講師:海外にもあります。直訳すると、「glasses for near-sightedness and far-sightedness(近視と遠視のためのめがね)」ともできますが、一語で表す言い方は、「bifocal glasses」です。「bifocal」自体は「二重の焦点の」という意味なので「二重の焦点=近視と遠視」となり「bifocal glasses」で「遠近両用めがね」を意味します。接頭語の「bi」には「2つの」という意味があり、例としては「bi-cycle=bicycle(自転車)」などがあります。

Q&A 2

受講生:今日、外国人の患者が来ました。診察後に吐き気止めと整腸剤が処方されたのですが、どのような薬か説明するのに、何と言っていいか分からず、困りました…。

講師:吐き気止め(制吐剤)や整腸剤にはそれぞれ専門用語がありますが(制吐剤:antiemetic 整腸剤:antiflatulent)、これらを知らなくても自分の手持ちの単語を組み合わせて説明することができると思います。吐き気止めは「吐き気のための薬」、整腸剤は「消化不良のための薬」と考えれば、それぞれ「medication for nausea」「medication for indigestion」と言えると思います。また、薬の専門用語自体を患者が知らない可能性もあるので、こういった「(症状)に対する薬」といった表現を覚えておくと便利です。

スピーキング練習


ロールプレイ前の発音練習中

今日のレッスンのメインは、スピーキング練習でした。当協会の看護英語コミュニケーション講座IIの教師であるMargaret Raye先生に患者役になってもらい、ベッドから車椅子への移乗介助をする時のロールプレイを行いました。 事前に小口先生と受講生の皆さんで、ロールプレイのシナリオの読み合わせをします。受講生の皆さんは、だんだんと表情が硬くなってきて、緊張気味です。 Margaret先生が教室に入ってくると、一気に笑顔と笑い声が教室にあふれます。お互いに自己紹介した後、シナリオの文章を読み合わせて、発音を再度確認しました。
受講生の皆さん、だんだん声が小さくなっていきます…。


移乗介助のロールプレイ

その後、順にロールプレイを始めます。2つの椅子をベッドと車椅子に見立てて、ベッドから車椅子への移乗介助を英語で説明をしながら行います。日々行う介助なので、自然に声掛けしていたり、体が動く受講生の皆さんですが、それを英語でとなるとなかなかスムーズにいきません。シナリオ自体は頭に入っていても、実際に体を動かすと言葉が止まってしまったりとかなり大変そうでした。しかし、小口先生のアシストを受けながら、無事に全員がMargaret先生を車椅子に移乗させることが出来ました。
終わった後は「めっちゃ汗かきましたよ!」と言いながらも、皆さん笑顔です。

休憩後、再度ロールプレイを行いました。2回目は1回目に比べると格段にスムーズになり、アドリブも出るほどに!皆さん、自分の体の動きとシナリオが一致してきたようです。こういったロールプレイを活用した実践的な練習は、看護の知識がある看護師だからこそ効果を発揮しやすいものだと実感します。自分の体の動きを英語に置き換えていくのは、最初は大変ですが、翌日からすぐ使える内容の濃さはとても魅力的でした。

この後、Margaret先生から受講生の皆さんへのフィードバックがありました。
  1. 短い文を何度も何度も発音して練習する!
  2.  
  3. 長い文ではなく、短い文を覚えて積み重ねていく!
  4.  
  5. 大きな声で話す!
  6.  
  7. 頭が真っ白になっても、パニックに陥らない!(No Panic!!)
  8.  
  9. なかなか相手に通じなかったり、間違っても、あきらめない!(Don’t give up!!)

受講生から、「車椅子への移乗はいつもの仕事のシチュエーションで、次に何をするかをわかっている。日本語ではわかっているけれど英語では言葉が出てこないため、やはり練習が必要だと思いました」との感想がありました。これに対して、Margaret先生は「英語を話す自分、そして英語を話している自分の声に耳が慣れていないから、とても不自然に感じるはずです。だからこそ、何回も繰り返し発音して練習する必要があるのです。」とコメントされました。

レッスンの総まとめ

Margaret先生が退室されてから、一息ついた受講生の皆さん。小口先生と一緒に今日のロールプレイを中心とした振り返りを行います。先生から、「シナリオを忠実に守るというよりは、自分の介助動作に合わせてカスタマイズしながらシナリオを活用して欲しい」とのアドバイスに、皆さん、自分の動きを再度思い返していました。そこで受講生から質問が出ました。

Q&A

受講生: 「put」と「hold」の違いがよくわからないです。患者を車椅子に移乗させる時、いつもつかんで持ち上げることが多いのです。このシナリオでは「I’m going to put my arms around you to help you stand up (立ち上がる介助をするのに、腕をまわしますね)」となっているけれど、実際にはつかむ動作なので、「put my arms」の代わりに「hold your waist(ウエストをつかむ)」と言ってよいですか?

講師: まず、「put」「hold」はそれぞれ「置く」「つかむ」という意味です。「hold your waist」だと、ウエストを手でつかむようなイメージになり、立ち上がる為の動作としてはちょっとおかしいかと思います。結果的につかむ動作になったとしても、「put my arms」の方がこれから行う行為を説明するには適切だと思います。

宿題は、次回のスピーキング練習でのロールプレイ用のシナリオ作りです。今日の経験が大いに活かされるはずです。
皆さん、お疲れ様でした!

レッスン終了後の感想

IPEC看護英語コミュニケーション講座は、看護師の方々が日々行っている看護業務のシチュエーションに対応する、実践的な内容でした。特に、ロールプレイに多くの時間を使ってスピーキング練習をした今日の内容は、看護師でもある教師の指導だからこそ、そのシチュエーションに最適な英語表現や語彙などを学べると実感した回でした。また、同じ志を持つ仲間との意見交換や教師からのアドバイスは、外国人患者とのコミュニケーションを積極的にやってみようというモチベーションに直結するのではと思いました。
受講生の皆さん、英語が話せる看護師としてますます活躍してください!
Invest in your future!